ESG課題への企業行動を促し、投資家の声を代表する各イニシアチブとは?
ESG要素を考慮した投資を実践する投資家の数は年々増えています。
それに応じて、各々のESG課題にフォーカスした投資対象企業との対話も増えています。
しかし、ESG課題の多くは、個別の投資家に特化した議題ではなく、組織や国の枠を超えて共通に関心のあるものです。
そこで、各国の機関投資家が共通関心のある課題の元で集まり、投資家としての期待値を伝えるため、企業との対話を行う仕組みが増えてきました。

個別の投資家によるエンゲージメント

投資家団体によるエンゲージメント
イニシアチブの母体として企業調査を行なうことが多いため、投資家にとっては同じ課題に関する体系立てた情報にアクセスができる機会となります。
また、企業にとっては顔の見える複数の投資家からの要望を理解し、同じ内容に関する対話の負担を減らすことができます。
こうした投資家を代表したイニシアチブは現在、欧州を中心とした国で立ち上がっていますが、その多くの対象企業として日本企業も入っています。
Climate Action 100+ 、Access to Nutrition、Business Benchmark on Farm Animal Welfareなど、いずれも日本企業も対象にしています。
そのため、日本企業、そして日本企業に投融資を行なう国内投資家にとっても、こうしたイニシアチブと各国投資家の声を理解することは大切です。
扱うテーマも、評価の方針も様々ですが、社会を良い方向に変え、持続可能な未来を作りたい。その想いは共通です。
海外発のイニシアチブが多いですが、日本の投資家が旗振り役となり、共通課題に対する対話イニシアチブを海外に提案する日も、もしかしたら来るかもしれません。